あれから20年

2006年7月6日
1986年7月
和田浩治さんが亡くなったと聞いて
とっても、とってもショックでした。病気だなんて聞いてもいなかったし、まだ若かったので…。
私は「風間駿介」としての彼以外は知らなかったけど、とても好きでした。
勿論、それが「風間駿介」に対してなのか、「和田浩治」に対してなのか…と言われれば、「風間駿介」と答えるしかないのだけど。
でも、「風間駿介」は、「和田浩治」でもあったと思う。いわゆる、分身という感じの…。だって、彼以外の「風間駿介」は考えられないもの。少なくとも私にとっては。
もろ熱血漢で優しくて、普段は割と冷静なくせして、失敗したりすると、すぐ切腹しようとする…。そんな「風間駿介」という人間(キャラクター)は原作から生まれたものではなくて、やっぱり和田さんから生まれたんだと思う。根本は原作に、脚本にあっても、それを人間(キャラクター)として造り上げたのは、彼以外の誰でもないと思ってます。
だから…、この先、誰か別な人が駿介を演じることになっても、私の中の「駿介」は、いつまでも和田浩治の「風間駿介」です。だって、ほかには考えられないだろうから…。

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これは、ちょうど20年前、1986年に私が書いたものだ。 読み返してみると、そのキャラクター分析はいかがなものか…という部分もあるし、ちと恥ずかしいんだが、改行もそのままに写してみた (ルビだけはつけられなかったので、かっこにした)。
なんでこんなものを引っ張り出してきたかというと、今日、7月6日が和田さんの命日だから。 そして今、ちょうど和田さんが最後に出演していた 「大岡越前」 第9部を見ていて、どうしても書きたくなったから。

第9部を見始めて、出てきた駿介を見た瞬間、「あ、具合が悪そう…」 と思った。 メイクで隠してはいるけど、だいぶ頬が落ちているのがわかる。 もしかして…と調べてみれば、放送は1985年10月〜1986年4月。 和田さんが亡くなったのは、1986年の7月。あぁ、やっぱり…。 この第9部を最後に、風間駿介は姿を消すのだ。それがわかってから見ていくと、駿介が登場しない話が多い。2週、3週と続けて出ないことさえある。 本放送の当時、何も知らずに見ていた時は、「あ〜、今週は駿介が出な〜い。つまらんなぁ…」 などと、のんきに思っていたことだろう。 今は、どんなシーンでも画面に駿介が出ていれば、そこに目が釘付け。 こんな動きの速い立ち回り、つらくなかったかしら…とか、立ち上がる時に刀を立てて支えにしているのは前からだっけ…とか、いろいろなことが気になって仕方がない。 20年前に自分が書いた 「普段は割と冷静」 なんていう、今、自分が持っている駿介のイメージを考えたら出てこないような言葉も、最後に見た第9部での駿介の印象があったのかもなぁ…などと思ってみたり。

そして、昨夜、第22話では、こんなに……と思うくらい、痩せてしまっていて、見ているのがつらかった。 20年前、どうして私はその変化に気づかなかったんだろう…。

その後、ほかの誰かが風間駿介を演じることはなかった。 南町の同心たちは、シリーズが進むにつれて顔ぶれが変わっていったけど、駿介ほど強く印象に残った人はいなかった。 もしかしたら、ほかの時代劇やドラマも含めて、その登場人物にここまで入れ込んだのは駿介だけかもしれない。

この2年くらいの間、改めて 「大岡越前」 を見て、やっぱり好きだな、駿介…、いい役者だな、和田さん…と思ってきた。 年齢を重ねていたら、どんな役者になっていただろう。 42歳という若すぎる旅立ちが悔やまれる。

和田さんが演じる「風間駿介」という人に出会えて、しあわせだと思っています。

あらためて、ご冥福をお祈りします。

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